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ジャカルタの最新レポート 石炭価格高騰の思わぬ余波

インドネシアは石炭資源が豊富です。石炭埋蔵量は約350億トンで世界第7位。エネルギー鉱物資源省の統計によると2020年の年間生産量は約5.7億トンで、中国、インドに次ぐ世界第3位の石炭資源大国です。生産の6割弱3.3億トンが輸出に向けられています。


その石炭資源ですが、目下価格が高騰しています。今週8月9日にはニューカッスル市場(豪州)で1トン当たりUS$161.3のという価格をつけました。2008年以来の記録的な高値です。背景には中国をはじめとする世界での資源需要の拡大があります。


石炭価格の上昇に乗じて石炭会社は輸出で大きく稼ぎたいところですが、なんと8月7日インドネシア政府は石炭会社34社に輸出禁止令を発布。数日後に明らかにされた禁止の理由は、これらの石炭会社が国内需要への供給をおろそかにしていたためのペナルティということでした。


石炭会社は生産の25%を国内需要に充てることが義務とされていますが、国内販売価格が1トン70ドルに設定されているため、価格高騰で沸く世界市場への輸出につい力が入ってしまったということのようです。いくつかの石炭火力発電所では石炭在庫が10日未満になっており停電も間近という危機的な状況でした。ロックダウンに停電が加わるのは我々にとって悪夢です。


<写真: 石炭バージ(はしけ)>

(出所:CNBC Indonesia )

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