5月7日付のブログでもご紹介した首都圏LRT(Light Rail Transit)プロジェクトのニュースです。さる6月6日、ジョコウィ大統領がLRTプロジェクトの進捗状況を視察しました。TMII駅(タマンミニインドネシアインダ駅)でLRTに試乗した大統領は、時速80㎞で乗りごこちは快適だったと満足の様子。2022年6月に運行が開始することを発表しました。
このLRTプロジェクトは、建設、運行、車両製造はいずれもインドネシア国営企業が担当した「純国産」プロジェクトです。2019年に先行して運行開始となった東ジャカルター北ジャカルタ間全長6㎞では、韓国の車両が採用されましたが、本LRTではPT.INKAが車両を製造しました。
ジョコウィ大統領は、将来は鉄道車両の輸出を目指すと、鉄道車両輸出の宣伝に一役買った格好。完成すればジャカルタ中心部と東部・南部近郊を結ぶ総延長44㎞の首都圏交通機関となり、通勤・買い物客の交通手段となるほか、車両交通状況の改善が期待されます。
土地取得が遅れていたデポ(車両基地)も土地の100%取得が完了したとのことですが、まだ東ブカシの車両メンテナンス工場の進捗が進んでいない模様です。まだ資金の手当ても必要とのことで、2022年のG20開催までに完成を間に合わせるべく総力を挙げることになりそうです。
なお6月14日、駐インドネシア韓国大使がブディ運輸相と面会の際、バリ島LRTプロジェクト、ジャカルタMRT第4フェーズ(ファトマワティーTMII間)への参加に関心を表明したとのことです。インドネシアの大型プロジェクトで日中韓の綱引きが続いています。
(写真:LRTを視察したジョコウィ大統領) 出所:大統領府提供
2021年6月16日
Kommentit